
あとロシアワールドカップまで3ヶ月を切った時期に日本サッカー協会はハリルホジッチ監督を解任するという禁じ手を使った。正直な感想としては多くの日本人がハリルホジッチ監督の采配に疑問を持ち、ロシアワールドカップでサッカー日本代表は結果を出せないのではないかと不安を持っていたことには違いない。しかしなぜ、このロシアワールドカップの差し迫った時期にハリルホジッチ監督を解任したのだろうか?
日本サッカー協会の責任逃れ
私の推測では最も有力なのは日本サッカー協会の責任逃れではないのかと考える。このままロシアワールドカップにハリルホジッチ監督体制で行き、1勝も勝てなかった場合、自分達(日本サッカー協会)への責任論がマスメディアを通して出ることが明らかになったからだ。要するにハリルホジッチ監督と心中するつもりはなくハリルホジッチ監督に全ての責任をなすりつけた形で終わらした。
ハリルホジッチ監督のサッカーは通用したのか?
正直、サッカー日本代表にとって必要なのは結果であったといわざる終えない。良い、悪いを別にして。この4年間のハリルホジッチ監督がおこなったサッカーの集大成がロシアワールドカップの結果であった。その結果こそ、ハリルホジッチ監督が目指す日本サッカーは正しかったのか、間違っていたのかを判断出来る。
今回のハリルホジッチ監督解任劇は将来、サッカー日本代表が目指すサッカーについての結論を棒にふった。要するにこの4年間を全く意味のないものにしてしまったのだ。しかし、日本サッカー協会が全て悪いとは私は思っていない。ハリルホジッチ監督にも原因はある。
ハリルホジッチ監督の発言
わたしはハリルホジッチ監督が発言した2つの言動がJリーグの選手そしてJリーグファンとの信頼関係を損なったと考える。
一つ目はJリーグに対して『試合展開のスピードが遅い』『デュエルが弱い』と批判したことです。確かに当たっているところもありますがこのような発言では、Jリーグの選手、Jリーグファンにとっては気分のよいものではないでしょう。
発言するなら『試合展開やデュエルが日本人同士ばかりでは成長しないJリーグはもっと海外選手を入れるべきだ。』と言うような発言なら多くの選手、ファンも支持したでしょう。
二つ目は日本代表選手に対して体脂肪率を12%を合格ラインにしてノルマを課したことである。体脂肪率12%以下がサッカーに良いのか、悪いのかはここでは議論しない。日本代表選手に選ばれる選手は私が考えるにプロ意識はとても強いはずである。
その選手に『体脂肪率12%以下にしろ!出来なければ次は呼ばないぞ!』と言えば選手が反発するのは当たり前だ。体脂肪率12%以下の選手を集めたいのなら日本代表選手になるには体脂肪率12%以下の選手しか呼ばないとまず、ハリルホジッチ監督はマスメディアを利用して発言するべきだった。この4年間、体脂肪率12%以下の選手だけを日本代表として選ぶべきだった。
最後に
ブラジルワールドカップ前に日本代表はパスサッカーでは強豪国に勝てなかった。そしてその答えは個の成長だと盛んに口々にした。しかし、個の成長だけでは勝てなかった。
そしてハリルホジッチ監督が就任してデュエル(1対1の強さ)でボールを奪い縦に速いサッカーを導入するがロシアワールドカップでの結果をみる前に崩壊する。
はたして日本代表はどんなサッカーしたいのか?その答えすら持たずにロシアワールドカップいくことになる。
何を求めてワールドカップを戦うのか?また、通用しなかったパスサッカーに戻るのか?そしてまた、個の成長と話すのか?
答えのない旅ほど無意味なものはない。